平成5年11月

59.結核撲滅で国際貢献

WHO(世界保健機構)主催の結核プロジェクト会議が九月末から十月初めにかけて本部のあるスイスのジュネーブで開かれ、私が団長として厚生省の係官や医師と一緒に参加しました。
 WHOは国連の三大専門機関の一つで、一万人の職員が働き、伝染病の予防、医学研究の助成と医学情報の統括、世界医師会などとの協力事業などを行っています。事務総長は日本人として初めての中島宏さん。その選出では私も世界各国の票集めに随分苦労しました。
 プロジェクト会議では世界の結核の実情と対策、将来の見通し、わが国が果たすべき役割について報告しました。
 わが国の結核患者は劇的に減少していますが、世界では毎年八百万人が発症し、毎年三百万人が死亡、憂慮される状況です。特に発展途上国は環境の悪さと貧困で多発しています。
 結核感染者の寿命を一年延ばすのに治療費はわずか三ドル(約三百円)こんご二年問に世界から二千万ドル(約二十億円)集まれば結核の死亡者は半減します。
 わが国は一国健康主義をやめて結核撲滅の経験と実績を生かした世界健康主義に立ち、WHOが進めている世界から結核をなくす活動に協力すべきです。
 そのためには、本来医師である私が、医療技術や資金をWHOに提供できるよう全力をあげるのが当然の責務です。国際貢献にもなると考えています。


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